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板橋富士見幼稚園幼児教育研究センター
板橋富士見幼稚園幼児教育研究センターとは
板橋富士見幼稚園では、質の高い保育を提供していくために様々な研究機関と提携し先進的幼児教育の研究開発を実施しています。
本研究センターは、学校法人安見学園が財政支援を行い教職員の個人及び共同研究の開発を支援し、教職員の資質向上を図り、広く社会に貢献していくものです。
このページでは、本園が①研究指導をお願いしている研究者を招聘して年間3回実施している園内研修の学び、②本園が関係する書籍・各学会等で発表している研究の成果を公開し各幼児教育機関に発信していく組織です。
センター長 鍋島 惠美(Emi Nabeshima)
プロフィール:1951年京都に生まれる。1974年京都教育大学幼児教育科卒業、西宮市立幼稚園に勤務。1976年神戸市立「聞こえとことばの教育」に勤務。言葉の発達に困りを抱える子どもの療育保育に携わる。1979年京都教育大学附属幼稚園勤務。2003年京都教育大学大学院修了。その間「ニューヨークこどものくに幼稚園」で研修する。2012年京都教育大学附属幼稚園定年退職。2014年京都光華女子大学で保育者になりたい女子大生とともに学び合う。また臨床発達心理士として、京都市保育園連盟の巡回相談に携わる。2019年認可保育園こども芸術大学園長となり2022年退職。板橋富士見幼稚園とは、京都教育大学附属幼稚園で保育実践をする傍ら、安見克夫園長先生のもとで学ばせてもらい深いつながりがあり、2022年6月より同センター長に就任。2023年4月より京都芸術大学芸術学部こども芸術学科にて特別教授に就任する。(https://www.kyoto-art.ac.jp/info/teacher/detail/18322)
本研究センターは、学校法人安見学園が財政支援を行い教職員の個人及び共同研究の開発を支援し、教職員の資質向上を図り、広く社会に貢献していくものです。
このページでは、本園が①研究指導をお願いしている研究者を招聘して年間3回実施している園内研修の学び、②本園が関係する書籍・各学会等で発表している研究の成果を公開し各幼児教育機関に発信していく組織です。
センター長 鍋島 惠美(Emi Nabeshima)
プロフィール:1951年京都に生まれる。1974年京都教育大学幼児教育科卒業、西宮市立幼稚園に勤務。1976年神戸市立「聞こえとことばの教育」に勤務。言葉の発達に困りを抱える子どもの療育保育に携わる。1979年京都教育大学附属幼稚園勤務。2003年京都教育大学大学院修了。その間「ニューヨークこどものくに幼稚園」で研修する。2012年京都教育大学附属幼稚園定年退職。2014年京都光華女子大学で保育者になりたい女子大生とともに学び合う。また臨床発達心理士として、京都市保育園連盟の巡回相談に携わる。2019年認可保育園こども芸術大学園長となり2022年退職。板橋富士見幼稚園とは、京都教育大学附属幼稚園で保育実践をする傍ら、安見克夫園長先生のもとで学ばせてもらい深いつながりがあり、2022年6月より同センター長に就任。2023年4月より京都芸術大学芸術学部こども芸術学科にて特別教授に就任する。(https://www.kyoto-art.ac.jp/info/teacher/detail/18322)
教育センター概要
板橋富士見幼稚園では、質の高い保育内容を提供していくために、様々な研究機関と連携し、園内保育のあり方について研究を推進しております。長年にわたり蓄積されてきた板橋富士見幼稚園の研究成果を本園研究センターに一元化し、多層的多面的に活用できるよう整理致しました。幼児教育の制度改革に伴い、幼児期の教育・保育は、重要な課題となってきます。そのための研究開発については、今後も教職員を中心に有識k者の支援と指導を受けながら実践研究のあり方の開発に努め、よりよい保育内容の充実を図ってまいります。
なお、本ページは平成27年3月20日から運用を開始し、順次研究成果を公表していきます。
なお、本ページは平成27年3月20日から運用を開始し、順次研究成果を公表していきます。
国内研究成果
【研究発表】
平成26年度
《日本保育学会第63回大会》
「泥遊びから穴掘り遊びへの発展に関する研究(1)
―なぜ穴掘り遊びに引き寄せられるのか―
《日本保育学会第63回大会》
「保育の質を高める自己点検評価尺度の研究(2)
―保育記録の縦断的自己分析法の考察―
《国立教育政策研究所》
「平成26年度教育課程研究指定校事業」
平成26年度研究成果報告書
令和2年度
《日本保育学会第74回大会》
コロナ禍の緊急事態宣言発令時に幼・保の保育者は何に取り組んだか
平成26年度
《日本保育学会第63回大会》
「泥遊びから穴掘り遊びへの発展に関する研究(1)
―なぜ穴掘り遊びに引き寄せられるのか―
《日本保育学会第63回大会》
「保育の質を高める自己点検評価尺度の研究(2)
―保育記録の縦断的自己分析法の考察―
《国立教育政策研究所》
「平成26年度教育課程研究指定校事業」
平成26年度研究成果報告書
令和2年度
《日本保育学会第74回大会》
コロナ禍の緊急事態宣言発令時に幼・保の保育者は何に取り組んだか
園内研究成果
【令和6年度】
研究テーマ「自然と共存し共生する生活環境を考える –子どものルーツを育む園庭環境に注目して-」
テーマ設定の理由
〇自然環境を守る
今日的課題:自然環境が破壊され、日本特有の四季折々の季節感が失われつつある。世界的にも環境保全と真剣に取り組む協定が結ばれている。その中の一つの取り組みとして、都会の中に自然環境と共存して共生しようとする運動や試みが始まっている。人にとって、生物にとって自然環境がいかに大事かを示唆している。
〇子どもと自然
子どもたちの遊びや生活が自然から遠ざかり、室内やゲーム機器やユーチュブを使用した遊びが増えてきている。機器に親しむことは、これから国際社会で情報を収集していくうえで必要ではあるが、使用開始年齢の低年齢化や長時間利用は心身の発達に害を及ぼすことは周知のとおりである。幼児期に自然環境の中で思い切り遊ぶ生活は、人格形成の基礎を培う上で重要であることは教育要領にも明記されている。
〇富士見の幼稚園の園庭環境
春は桜、夏はセミの鳴き声、秋は豊かな木々の実り、彩とりどりの季節の営みの中で子どもたちは遊ぶ、駆ける、考える。「もっと楽しいことはないかなぁ」「もっと面白いことはないかなぁ」泥んこの足の裏で考える。泥んこの指の先で考える。子どものために開かれた富士見幼稚園園庭環境である。
〇自然と共存し共生していこうとする原体験
板橋富士見幼稚園の園庭環境には開園当初より深い園の理念(前述)が込められて設計されている。子どもたちが、園庭の自然環境に触れ遊ぶ草も木も実りも泥んこも、みんな子どもたちの心を育てる。「知」を伸ばす。自然と共存し共生する原体験としてひとり一人の根っこになってほしいと願っている。
園内研究会開催
第1回令和6年5月31日(木)
テーマ1 出会う慣れる季節
「こどもが遊ぶ園庭の環境を考える -子どもの姿に着目して-」
朝から雨降り、園庭の土、樹木、生き物たちも雨の中での暮らしとなる。子どもたちは、傘を差し長靴を履いて登園してくる。室内遊びが始まり、10:30ごろに雨が上がり曇り空となる。子どもたちが嬉々として外遊びを始める。
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学 大澤 洋美先生
東京家政大学 野口 隆子先生
武蔵野大学 箕輪 潤子先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター 鍋島惠美
◆研究協議の持ち方及び内容
昨年度の反省・評価を活かして、各学年2クラスを同学年で分かれ、異年齢2グループを編成し、講師の先生方と対話を通して学びあう案が先生方から提案される。
1)異年齢(A・Bの2グループ編成)分科会 指導助言の先生を交えて
・園庭の環境にどのように幼児が関わっているのか、植栽物や土や水や生きものとの関関わりについてのこどもの姿や教師の環境と援助について、本時の保育を振り返りつつ担任の悩みや相談を先生方と対話する
2)全体会(指導助言の先生方より)
・3歳児のある子どもの遊びの過程と心の揺らぎ、保育者の時々の関わりと周りの子どもの様子を観察者の視点からの気づきを共有
・植栽物や生き物の成長過程を擬人化してとらえ、メジャーや定規などで、蔓の伸びを測定して記録しようとする環境、命を大切にする環境とが生活の中に織り込まれている。
・育てて食する営みが、「収穫祭」の行事の中にお店屋さんごっこの遊びとして、子どもたちの生活に取り込まれている。年長児になれば、お店屋さんが開店できる誇りが受け継がれている。
・園庭の環境が充実してきていること、子どもと先生とが創り上げていくこと、園の文化が継承されていると講評。
・導入された各クラスのICT活用に関して2年目のなかで、こどもの生活の中に取り入れて、気象情報や子どもの興味関心を瞬時に取り込み活用しようと担任の主体的な取り組みや、「台風の目」をこどもに伝えるべく調べていて発見した「科学の遊び」をこどもと楽しむ教師の姿に探究心が重なる。
★番外編:富士見のルーツ 紙芝居「ブドウの木」安見克夫園長先生の読み語り今から40年前のこと開園当初に植樹されたブドウの木、40株の中で生き残った一本のブドウの木に託した園の理念が描かれています。 当時取材に来られた記者の方が、インタビューをもとにして創作され贈呈されたドキュメントです。研究者の皆さん、職員の皆さんが、当時を思い自分史と重ねて園長先生の世界観に包み込まれ感動的でした。まさにみんなが富士見のルーツに触れるトキでした。
【令和5年度】
研究テーマ「言葉を育む幼児期の環境の在り方」
① 第1回 テーマ「幼児主体の対話的学びを支える教師のかかわり」
設定理由: 園には、四季の変化を感じ取ることのできる環境があります。子ども達は、その環境をどのように遊びや生活に取り入れ、自己の成長に結びつけているのかを4月から7月の保育課程1期・2期での実践記録から読み解いてみたいと思います。
7 月21日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学 大澤 洋美先生
東京家政大学 野口隆子先生
白梅学園大学 宮田まり子 先生
武蔵野大学 箕輪 潤子先生 板橋富士見幼稚園
幼児教育研究センター 鍋島惠美 先生
◆研究協議の持ち方及び内容
1)学年別分科会(指導助言の先生を交えて)
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践を各担任より説明
・本時の保育を振り返り担任の悩みや相談を先生方と対話する
2)全体会(指導助言の先生方より)
・言葉を育む環境の在り方や援助についての気づきからの助言
・今年度から導入された各クラスのICT活用に関しての担任の主体的な取り組みの評価
番外編:ワークショップ①心と体の開放-お空に絵を描こう!- 光と影の教材研究
② 第2回 テーマ「言葉で繋ぐ仲間づくりと環境構成の在り方」
設定理由: 教育課程1期・2期で育んだ豊かな言葉の育みを介して、3期では仲間と共に遊びを深めていく、対自的言葉(自覚して話す言葉)の育ちを拾い上げていき、 その時の環境構成の在り方ついて検討したいと思います。
10 月26日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学教授 大澤 洋美先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター 鍋島惠美先生
◆研究協議の持ち方及び内容
1)学年別分科会(指導助言の先生を交えて)
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践を各担任より説明
テーマに沿って環境構成や教師の援助について協議
2)全体会(指導助言の先生方から)
・秋の実りの稲穂の脱穀の様子に対して、擬態・擬音を通して、言葉で他児と繋がっていく様子や、子どもの中心的活動がよく見えるようになってきている
・英語の言語感覚を日常にも、英語の絵本やゲーム等を保育室内の環境の一つとして子 どもの興味関心を広げてみてはどうか
・手を動かし脱穀する子の姿から田植えから食べるまでの「田んぼ物語」が生まれるのではないか
・園庭環境について環境構成や環境美学について
番外編:ワークショップ②からだと表現-時代祭り維新勤王隊の笛- うごくからだの時間
③ 第3回 テーマ「対自的言葉の育みを支え自己肯定感を育む環境構成の在り方」
設定理由: 教育課程3期で育ち持った対自的言葉を介してさらに、豊かな生活となっていく過程を丁寧に拾い上げ、4期では、進級・進学に向けて、言葉と心の一体 感である精神性を丁寧に拾い上てきました。5期では、子ども達の自己肯定感の育みについて言葉と環境の視点から考えるとともに、今年度導入したICT活用ついての試みを振り返ってみたいと思います。
1 月13日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京家政大学 野口隆子先生
東京成徳短期大学 大澤 洋美先生
白梅学園大学 宮田まり子先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター 鍋島惠美先生
◆研究協議の持ち方及び内容
1)学年別分科会(指導助言の先生を交えて)
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践を各担任より説明
・学年別に研究テーマと指導案の関連性について質疑応答
2)全体会(指導助言の先生方から)
・園庭の植栽の中に2020年度と書かれた札や誕生会の写真が添付されていて、時の流れやみんなで祝う園文化を感じる環境
・園庭の遊びと室内の遊びが別々になってはいないか
・園庭にある固定遊具の高さや穴から滑り降りる時に感じる一瞬姿が消えるマジックに運動と共に見立てや空想をこどもが経験している
・劇発表会に向かう生活のあり様の多様性について再考の提案
◆ICT活用についての報告(各学年の担任より)
3 歳児:劇発表会のイメージづくりとして活用、自然事象台風の様子の視聴
4 歳児:見えないところを活用 例えば、カブトムシの成長・運動会の自分たちの演技
5 歳児:遊びの振り返りに活用
番外編 ワークショップ③ はぁって言うゲーム -言葉と表情- 柔らかな感性を磨く
【令和4年度】
研究テーマ「遊びの持続性を支える環境構成の在り方」
①第1回 テーマ「幼児主体の対話的学びを支える教師のかかわり」
5月27日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学教授 大澤 洋美先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター長 鍋島 惠美先生
◆研究協議の内容
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践過程を各担任より説明
・大雨の保育環境の日となり、自然事象と子どもと保育者の関わり、
月刊絵本の取扱いについて協議
・各指導助言者より、環境の在り方や援助について気づきからの助言
②第2回 テーマ「遊びの連続性からとらえる非認知能力の育ち」
10月28日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学教授 大澤 洋美先生
白梅学園大学准教授 宮田まり子先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター長 鍋島 惠美先生
◆研究協議の内容 学年別分科会及び全体会:初めての試み
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践過程を各担任より説明
・学年別に研究テーマと指導案の関連性について質疑応答を含め、遊びの連続性を生む
環境構成や教師の援助について協議
・各指導助言者より、園庭環境と子どもの遊びの多様性、子どもの遊びに潜む非認知能力、
遊びの連続性から生まれた環境、音環境(ピアノ伴奏)について助言
番外編 シャボン玉実験室 大きなシャボン玉を作ろう! 保育者の教材研究
③第3回 テーマ「こどもの”ひらめき”からの探求」
1月13日実施
◆指導助言者
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学教授 大澤 洋美先生
白梅学園大学准教授 宮田まり子先生
京都教育大学附属幼稚園副園長 櫨山ゆかり先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター長 鍋島惠美先生
◆研究協議の内容 学年別分科会及び全体会
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践過程を各担任より説明
・学年別に研究テーマと指導案の関連性について質疑応答を含め、
遊びの中で見られるどものひらめき、そこから生まれる探求する姿や環境と援助について協議
・各指導助言者より、園庭環境と子どもの遊びの多様性、子どものひらめきとおもいつき、
遊びの連続性から生まれた新しい環境などについて助言
番外編 不思議実験室
①コップに魔法の粉を入れる②そこに水を注ぐ③そのコップを逆さにすると…!!
④水がかかっては大変 その場から逃げようとする
結果:水はこぼれず粉はジェリーに変化 保育者のひらめく探求の時間
研究テーマ「自然と共存し共生する生活環境を考える –子どものルーツを育む園庭環境に注目して-」
テーマ設定の理由
〇自然環境を守る
今日的課題:自然環境が破壊され、日本特有の四季折々の季節感が失われつつある。世界的にも環境保全と真剣に取り組む協定が結ばれている。その中の一つの取り組みとして、都会の中に自然環境と共存して共生しようとする運動や試みが始まっている。人にとって、生物にとって自然環境がいかに大事かを示唆している。
〇子どもと自然
子どもたちの遊びや生活が自然から遠ざかり、室内やゲーム機器やユーチュブを使用した遊びが増えてきている。機器に親しむことは、これから国際社会で情報を収集していくうえで必要ではあるが、使用開始年齢の低年齢化や長時間利用は心身の発達に害を及ぼすことは周知のとおりである。幼児期に自然環境の中で思い切り遊ぶ生活は、人格形成の基礎を培う上で重要であることは教育要領にも明記されている。
〇富士見の幼稚園の園庭環境
春は桜、夏はセミの鳴き声、秋は豊かな木々の実り、彩とりどりの季節の営みの中で子どもたちは遊ぶ、駆ける、考える。「もっと楽しいことはないかなぁ」「もっと面白いことはないかなぁ」泥んこの足の裏で考える。泥んこの指の先で考える。子どものために開かれた富士見幼稚園園庭環境である。
〇自然と共存し共生していこうとする原体験
板橋富士見幼稚園の園庭環境には開園当初より深い園の理念(前述)が込められて設計されている。子どもたちが、園庭の自然環境に触れ遊ぶ草も木も実りも泥んこも、みんな子どもたちの心を育てる。「知」を伸ばす。自然と共存し共生する原体験としてひとり一人の根っこになってほしいと願っている。
園内研究会開催
第1回令和6年5月31日(木)
テーマ1 出会う慣れる季節
「こどもが遊ぶ園庭の環境を考える -子どもの姿に着目して-」
朝から雨降り、園庭の土、樹木、生き物たちも雨の中での暮らしとなる。子どもたちは、傘を差し長靴を履いて登園してくる。室内遊びが始まり、10:30ごろに雨が上がり曇り空となる。子どもたちが嬉々として外遊びを始める。
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学 大澤 洋美先生
東京家政大学 野口 隆子先生
武蔵野大学 箕輪 潤子先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター 鍋島惠美
◆研究協議の持ち方及び内容
昨年度の反省・評価を活かして、各学年2クラスを同学年で分かれ、異年齢2グループを編成し、講師の先生方と対話を通して学びあう案が先生方から提案される。
1)異年齢(A・Bの2グループ編成)分科会 指導助言の先生を交えて
・園庭の環境にどのように幼児が関わっているのか、植栽物や土や水や生きものとの関関わりについてのこどもの姿や教師の環境と援助について、本時の保育を振り返りつつ担任の悩みや相談を先生方と対話する
2)全体会(指導助言の先生方より)
・3歳児のある子どもの遊びの過程と心の揺らぎ、保育者の時々の関わりと周りの子どもの様子を観察者の視点からの気づきを共有
・植栽物や生き物の成長過程を擬人化してとらえ、メジャーや定規などで、蔓の伸びを測定して記録しようとする環境、命を大切にする環境とが生活の中に織り込まれている。
・育てて食する営みが、「収穫祭」の行事の中にお店屋さんごっこの遊びとして、子どもたちの生活に取り込まれている。年長児になれば、お店屋さんが開店できる誇りが受け継がれている。
・園庭の環境が充実してきていること、子どもと先生とが創り上げていくこと、園の文化が継承されていると講評。
・導入された各クラスのICT活用に関して2年目のなかで、こどもの生活の中に取り入れて、気象情報や子どもの興味関心を瞬時に取り込み活用しようと担任の主体的な取り組みや、「台風の目」をこどもに伝えるべく調べていて発見した「科学の遊び」をこどもと楽しむ教師の姿に探究心が重なる。
★番外編:富士見のルーツ 紙芝居「ブドウの木」安見克夫園長先生の読み語り今から40年前のこと開園当初に植樹されたブドウの木、40株の中で生き残った一本のブドウの木に託した園の理念が描かれています。 当時取材に来られた記者の方が、インタビューをもとにして創作され贈呈されたドキュメントです。研究者の皆さん、職員の皆さんが、当時を思い自分史と重ねて園長先生の世界観に包み込まれ感動的でした。まさにみんなが富士見のルーツに触れるトキでした。
【令和5年度】
研究テーマ「言葉を育む幼児期の環境の在り方」
① 第1回 テーマ「幼児主体の対話的学びを支える教師のかかわり」
設定理由: 園には、四季の変化を感じ取ることのできる環境があります。子ども達は、その環境をどのように遊びや生活に取り入れ、自己の成長に結びつけているのかを4月から7月の保育課程1期・2期での実践記録から読み解いてみたいと思います。
7 月21日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学 大澤 洋美先生
東京家政大学 野口隆子先生
白梅学園大学 宮田まり子 先生
武蔵野大学 箕輪 潤子先生 板橋富士見幼稚園
幼児教育研究センター 鍋島惠美 先生
◆研究協議の持ち方及び内容
1)学年別分科会(指導助言の先生を交えて)
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践を各担任より説明
・本時の保育を振り返り担任の悩みや相談を先生方と対話する
2)全体会(指導助言の先生方より)
・言葉を育む環境の在り方や援助についての気づきからの助言
・今年度から導入された各クラスのICT活用に関しての担任の主体的な取り組みの評価
番外編:ワークショップ①心と体の開放-お空に絵を描こう!- 光と影の教材研究
② 第2回 テーマ「言葉で繋ぐ仲間づくりと環境構成の在り方」
設定理由: 教育課程1期・2期で育んだ豊かな言葉の育みを介して、3期では仲間と共に遊びを深めていく、対自的言葉(自覚して話す言葉)の育ちを拾い上げていき、 その時の環境構成の在り方ついて検討したいと思います。
10 月26日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学教授 大澤 洋美先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター 鍋島惠美先生
◆研究協議の持ち方及び内容
1)学年別分科会(指導助言の先生を交えて)
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践を各担任より説明
テーマに沿って環境構成や教師の援助について協議
2)全体会(指導助言の先生方から)
・秋の実りの稲穂の脱穀の様子に対して、擬態・擬音を通して、言葉で他児と繋がっていく様子や、子どもの中心的活動がよく見えるようになってきている
・英語の言語感覚を日常にも、英語の絵本やゲーム等を保育室内の環境の一つとして子 どもの興味関心を広げてみてはどうか
・手を動かし脱穀する子の姿から田植えから食べるまでの「田んぼ物語」が生まれるのではないか
・園庭環境について環境構成や環境美学について
番外編:ワークショップ②からだと表現-時代祭り維新勤王隊の笛- うごくからだの時間
③ 第3回 テーマ「対自的言葉の育みを支え自己肯定感を育む環境構成の在り方」
設定理由: 教育課程3期で育ち持った対自的言葉を介してさらに、豊かな生活となっていく過程を丁寧に拾い上げ、4期では、進級・進学に向けて、言葉と心の一体 感である精神性を丁寧に拾い上てきました。5期では、子ども達の自己肯定感の育みについて言葉と環境の視点から考えるとともに、今年度導入したICT活用ついての試みを振り返ってみたいと思います。
1 月13日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京家政大学 野口隆子先生
東京成徳短期大学 大澤 洋美先生
白梅学園大学 宮田まり子先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター 鍋島惠美先生
◆研究協議の持ち方及び内容
1)学年別分科会(指導助言の先生を交えて)
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践を各担任より説明
・学年別に研究テーマと指導案の関連性について質疑応答
2)全体会(指導助言の先生方から)
・園庭の植栽の中に2020年度と書かれた札や誕生会の写真が添付されていて、時の流れやみんなで祝う園文化を感じる環境
・園庭の遊びと室内の遊びが別々になってはいないか
・園庭にある固定遊具の高さや穴から滑り降りる時に感じる一瞬姿が消えるマジックに運動と共に見立てや空想をこどもが経験している
・劇発表会に向かう生活のあり様の多様性について再考の提案
◆ICT活用についての報告(各学年の担任より)
3 歳児:劇発表会のイメージづくりとして活用、自然事象台風の様子の視聴
4 歳児:見えないところを活用 例えば、カブトムシの成長・運動会の自分たちの演技
5 歳児:遊びの振り返りに活用
番外編 ワークショップ③ はぁって言うゲーム -言葉と表情- 柔らかな感性を磨く
【令和4年度】
研究テーマ「遊びの持続性を支える環境構成の在り方」
①第1回 テーマ「幼児主体の対話的学びを支える教師のかかわり」
5月27日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学教授 大澤 洋美先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター長 鍋島 惠美先生
◆研究協議の内容
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践過程を各担任より説明
・大雨の保育環境の日となり、自然事象と子どもと保育者の関わり、
月刊絵本の取扱いについて協議
・各指導助言者より、環境の在り方や援助について気づきからの助言
②第2回 テーマ「遊びの連続性からとらえる非認知能力の育ち」
10月28日実施
◆指導助言者
学習院大学 大学院教授 秋田 喜代美先生
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学教授 大澤 洋美先生
白梅学園大学准教授 宮田まり子先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター長 鍋島 惠美先生
◆研究協議の内容 学年別分科会及び全体会:初めての試み
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践過程を各担任より説明
・学年別に研究テーマと指導案の関連性について質疑応答を含め、遊びの連続性を生む
環境構成や教師の援助について協議
・各指導助言者より、園庭環境と子どもの遊びの多様性、子どもの遊びに潜む非認知能力、
遊びの連続性から生まれた環境、音環境(ピアノ伴奏)について助言
番外編 シャボン玉実験室 大きなシャボン玉を作ろう! 保育者の教材研究
③第3回 テーマ「こどもの”ひらめき”からの探求」
1月13日実施
◆指導助言者
白梅学園大学 大学院教授 無藤 隆 先生
東京成徳短期大学教授 大澤 洋美先生
白梅学園大学准教授 宮田まり子先生
京都教育大学附属幼稚園副園長 櫨山ゆかり先生
板橋富士見幼稚園 幼児教育研究センター長 鍋島惠美先生
◆研究協議の内容 学年別分科会及び全体会
・教師の願いから保育案が計画された本時の実践過程を各担任より説明
・学年別に研究テーマと指導案の関連性について質疑応答を含め、
遊びの中で見られるどものひらめき、そこから生まれる探求する姿や環境と援助について協議
・各指導助言者より、園庭環境と子どもの遊びの多様性、子どものひらめきとおもいつき、
遊びの連続性から生まれた新しい環境などについて助言
番外編 不思議実験室
①コップに魔法の粉を入れる②そこに水を注ぐ③そのコップを逆さにすると…!!
④水がかかっては大変 その場から逃げようとする
結果:水はこぼれず粉はジェリーに変化 保育者のひらめく探求の時間
出版物
自己点検評価
学校関係者評価
研究成果資料
1990 | 日本発達心理学会 「幼稚園におけるお手紙ごっこ」の実践 「幼児における表記知識の発達」 「泥遊びから穴掘り遊びへの発展に関する研究」(1) ~なぜ穴掘り遊びに引き寄せられるのか~ |
---|---|
1992 | 月刊国語教育「わきでる言葉に心を探る」 日本国語教育学会No243/7月号 |
1993 | 「生活のことばからの保育」一穴堀遊びつて楽しいね― 日本国語教育学会第56回大会研究発表(筑波大学附属小学校)/8月 |
1994 | 月刊国語教育「生活のことばからの保育」―保育現場が考えた3つの提案一 日本国語教育学会No259/11月号 |
1994 | 日本教育心理学会「幼稚園における「お手紙ごっこ」活動」(1) 一お手紙の形式と機能一 |
1995 | 日本教育心理学会 幼稚園における『お手紙ごっこ』活動」(2) 一表記方法と表記ルールー |